日本臨床総合医科学会は、
・疾病が不明、原因が不明、しかし、患者の主訴があり色々な医療機関の診察を受けても診断が付けられない。そのために、分からない体の不調を徹底的に総合的に検査をする「総合診療」にプラス「総合医療カウンセリング」を加え、臨床推論、医療面接を充実させ、それを制度として発展させ、主訴の原因追及に努めることを提唱し、これを「臨床総合医科学」として新たに医学の分野として確立したいと考える。医療従事者同士の情報交換も同時に漏れなくシステム化し疾病の原因を突き止める手法の研究を主たる目的として日本臨床総合医科学会を立ち上げた。
「臨床総合医科学」を整理すると。「臨床総合医科学」=(「総合診療」+「臨床推論」+「医療面接」)+「総合医療カウンセリング」
※臨床推論と医療面接は総合診療と同列の体系ではないが、総合診療を行う上での重要なツールであるので「臨床総合医科学」体系の中で特別な研究対象としている。
以上のように、医療人と患者のコミュニケーションを強くお求められる。それが、遠回りのようで一番早い原因究明の診療だと考える。医学ではなく、医科学としたのはエビデンスを絶対条件とする科学としての医学を模索する姿勢である。「医科学」とは、医療のサイエンスである。
・主訴の原因がわからないために近代医療に見切りをつけて代替医療に移行してしまう患者も少なくない。しかし。必ず原因はある筈である。それは原因不明の難病のこともあれば検査に出ない僅かな体の変化が体調に影響を与えていることも多々ある。
・患者は、検査を嫌がる場合もあるが、医療は占いでも予想でもない。正確なデータに基づく診察されなければならない。原因を究明することは患者本人のためのみではなく、これからの医療に大きな光明を与えるのである。
医療面接のあり方も重要な研究テーマ。
医療面接は、大学医学部の講座も開講されている大学もあるが、必須科目ではなく選択科目なために選択する学生は少ないようである。しかし、インフォームドコンセントが叫ばれて久しくなるが、未だに医師本位のインフォメーションで患者が説明を受けたとの認識があるかではなく説明したとの医師の満足感が臨床現場でのインフォームドコンセントになっている。医療面接の研究は、物理的医科学そのものの研究と同時に重要な研究課題である。